海外で働くと言っても、世界は広く様々な国があります。中でもアジアは、経済発展も目覚ましく、企業の進出も増えて、増々勢いを増しています。ただし現地の文化や習慣を理解しないと、思わぬトラブルを招いてしまい、撤退を余儀なくされるとうこともあるようです。日本企業のアジア進出が本格化するにしたがって、現地を指揮・指導するために赴任するという日本人も増えています。
東南アジアの中でも、ベトナム政府は日本語を話せる人材を増やそうとするなど、日系企業の誘致にも積極的です。しかし現地で実際に働く上で、直接的な人と人との関係作りが不可欠です。
まずはよく聞くローカルな言葉を自分も日常的に使うことで、親しみやすさを生み出し、距離を縮めることができます。そしてベトナム人にとって、家族や家族行事は神聖なものであり、最優先であるという認識を共有することが大切です。
また「飲みニケーション」は、有効です。人柄は良くても、本心を隠す傾向があると言われるベトナム人と、腹を割った付き合いができるチャンスです。
またベトナム人は、一般的に嫉妬深いと言われていますが、これは上昇志向の強い人ほど強い傾向にあるようです。そのため常にフェアな対応を心掛けて、評価には明確な基準を示す必要があります。そしてベトナム人に仕事の指示を与える時には、大まかな方向性やビジョンだけでは不十分です。事細かく何をして欲しいのかを説明する、根気強さが必要です。
なお家族や友人との時間を大切にするベトナム人は残業を嫌うので、定時までに仕事を終えられるようマネジメントしなければなりません。
そしてインターネット回線が異常に遅くなるというトラブルが、月に1度ぐらい起きるということを覚悟しなければなりません。原因は定かではありませんが、万一に備えて、モバイルインターネット端末を用意しておく方が無難です。また交通手段として、ベトナムは特にバイクが多いことで有名です。道路を横断しようにも、バイクが次々と切れ目なく通り過ぎて行くという場合、バイクの運転手の目をよく見ながら強引に渡ることです。通じ合えばバイクの方で避けてくれるため、轢かれずに済みます。
日系企業も多く進出することにより、様々な整備が進むベトナムですが、海外法人の立ち上げには、パートナー企業の存在が欠かせません。このパートナー企業選びによって、具体的な会社設立までの期間やコストが変わることにもなるため、慎重に情報収集する必要があります。また手続きを進める中で、グレーなお金のやり取りが絡む場合もあるようです。